クラスメソッドのMAD事業部とは何か?
「クラスメソッドMADってなんなん?なんか狂った感じ?」
「うん、だいたいあってる」
というわけで、ハマコーこと濱田孝治は、2021年7月付で、クラスメソッド株式会社 CX事業本部 MAD事業部の部長を拝命致しました。
拝命とか書くと「そんな厳かな儀式があんの?」と思われる方もいるかも知れませんが、そこは弊社、のんびりしたもんです。自分も「ブチョー」と言われてもあまりぴんときません。
MAD事業部は、MADチームとしてちょうど一年前の2020年7月に発足しました。この一年はとにかく目の前の案件をこなしていくことに精一杯の一年だったのですが、改めてこれまでを振り返ってみることで、我々がどのように進化していきたいのか、何を社会に価値提供していきたいのかがおぼろげながら見えてきました。
MAD事業部になったこの節目で、クラスメソッドのMADサービスが何なのか?何を解決するのかをお伝えします。
MAD事業部きたか…!! ( ゚д゚) ガタッ / ヾ __L| / ̄ ̄ ̄/_ \/ /
まだまだ、これからですYO
お品書き
この記事長いです。気長に付き合って頂ければと思いますが、「MAD事業部が考える理想のご支援の形」は、我々が考えるサービスのイメージが凝縮されているので、そこだけでもみていただければ幸いです。
- MAD事業部の沿革
- MAD事業部のサービス内容
- データでみるMAD事業部
- MAD事業部が考える理想のご支援の形
- MAD事業部が苦手としていること
- ご支援させていただいた顧客事例
- 内製化支援サービスのご紹介
- 興味がある方へ(事業会社様)
- 興味がある方へ(エンジニア)
MAD事業部の沿革
2020年1月頃にふと、こんなことを思い立ちました。
「クラスメソッドって、そもそもがっつり開発できると思われていないのでは?」
当時、AWS事業本部のコンサルティング部にいた自分は、コンテナ領域を中心にアーキテクチャ設計やコンテナ基盤の構築を担当していたのですが、どうにも「AWSのインフラ構築がめっちゃ強いクラスメソッド!!」という部分ばかりが、世の中に強調されすぎているように感じていました。
それは先輩方が長い時間をかけて積み上げた非常に貴重なブランドであることは実感してましたし、その恩恵に自分もあずかってきたのも事実です。ただ、そのブランドが強すぎるが故に「AWSを中心としたパブリッククラウドを利用した開発もできる」という部分が、逆に目立っていないようにも感じてました。
そのあたりのもやもや感を抱えながら、「そーやな、今どきやから、サーバーレスとコンテナを専門にして、MAD(Modern Application Development)と銘打ったら、露出にもなるし、新しい顧客の掘り起こしにつながるやろ!」と思い、当時のAWS事業本部長の佐々木とCX事業本部長のおおはしに相談してみたところ、「やっておしまい」の一言で、やることに決まりました。本当にこのあたりの意思決定は早い組織です。
その後、引継ぎなどいろんな準備期間を経て、自分もAWS事業本部からCX事業本部に異動し、サーバーレス開発部のメンバーを中心に、2020年7月に立ち上げたのがMADチームです。
そこから一年をへて、2021年7月にMADチームはMAD事業部へと進化しました。
- 2020年7月
- MADチームとして発足
- 人員は12名
- 2021年7月
- MAD事業部に変更
- 人員は28名
- MAD領域を専門とするエンジニアと、内製化支援チームがジョイン
MAD事業部のサービス内容
改めて、クラスメソッドMADのサービス内容をご紹介。
MAD(Modern Application Development) | クラスメソッド
平たく言えば、「サーバーレス/コンテナに特化した開発・技術支援」サービスです。
サーバーレスもコンテナも、ビジネス課題を解決するための一つの手段でしかないのですが、これら技術を採用することは、主に以下の面で大きなメリットがあると、我々メンバーは確信しています。
- 迅速な開発
- 素早いフィードバック
- コントローラブル
これらは比較的新しい概念なのと、パブリッククラウドの進化がものすごく早いため、そのメリットを享受しようとしても、主に以下の壁が立ちはだかります。
そんな悩める顧客に対して、専門集団として価値提供するのがクラスメソッドのMAD(Modern Application Development)です。
主な支援範囲はこちら。主にAWS上で、LambdaやECSやEKSといったコンピューティングリソースを利用し、フロント側はメジャーなフレームワーク3種、関連するAWSのサービスと、CI/CD、IaCをまるっとご支援しています。
また、MAD領域では最近非常に顧客の引き合いが強い、Auth0や、CircleCIの導入も可能です。
データでみるMAD事業部
ここでちょっと目先を変えて、MAD事業部で扱っている案件や技術領域のデータを集計してみたので、ご紹介。これらのデータで、よりMAD事業部がどのような案件を扱っているかがわかるかと思います。
案件あたりの支援人数
比較的少人数で支援している案件が多いです。一人案件も、あります。
案件あたりの支援期間
短期間で終了するものもあれば、長きに渡ってご支援させていただいているお客様も多いです。
案件の支援内容
がっつり受託開発も多いですが、それとは別に、AWSの各種インフラの構築支援や、構成上やコードのお悩みごとに対するコンサルティングの案件も多数あります。
フロントエンドフレームワーク
最近は、Reactが非常に優勢です。
サーバーサイド
サーバーサイドは、コンテナとサーバーレスが半々程度ですね。異色どころとしてAWS AppSyncを使った事例もあります。
データソース
DynamoDBとRDB(RDS or Aurora)が半々ぐらいです。Amazon Neptuneといった、グラフDBも一部で採用されています。
IaC(Infrastructure as Code)
満遍なく使われてますね。この中では最後発のAWS CDKも、非常によく使われてます。
開発言語
最近のTypeScriptの勢いはすごいですね。CDKではほぼ、TypeScriptを使っていることもありますが、サーバーサイドとフロントエンド双方での採用例が増えてます。コンテナと相性の良いGoも採用事例が増えてます。
CI/CD
ここも満遍なく採用されてます。直近の案件では、CircleCIがなくなってしまってますが、以前は非常に多かったです。
SaaS
Auth0が強いですね。監視系だと、MackerelやNewRelicを使う場合もあります。
MAD事業部が考える理想のご支援の形
そんなMAD事業部ですが、我々がベンダーとして顧客を支援する上での理想の形をご紹介します。この一言につきます。
もうすこしかいつまんで説明すると、このようなイメージです。ゴールの状態が「モダンな開発技術をビジネス価値に直結できる」でスタートは基本ネットの情報だとすると、ゴールに向かうためには何が必要でしょうか?
ゴールに向かうために必要なこと
検索すれば、モダンアプリケーション開発に関する情報は山のように存在します(AWSブログ、DevelopersIO、公式開発者向けドキュメント)。
ただ、それだけでモダンな技術を使いこなせるわけではありません。何故なら各企業で目指すビジネスゴールや抱えている課題、エンジニアリング組織は何一つ同じではないからです。
組織として理想の状態を目指すには、そのギャップを埋めていくための汗をかきながらの試行錯誤が不可欠です。
MAD事業部の存在意義
特定の技術領域に特化し、多数のお客様を支援している中で得られた経験値と感触を組織として蓄積していることが、我々の強みであり差別化要素です。
- 「このお客様にはこれがハマった」
- 「あの技術はイマイチかなぁ」
- 「これよさそうだけど、まだまだ安定性が疑問で本番導入はあかんな」
我々はこれらを肌感をもって経験し蓄積しています。多数のお客様に支えられて身につけた経験を背景にご支援することに、価値を見出していただければと思います!!
MAD事業部が苦手としていること
MAD事業部が苦手としていることもありますので、ここは正直にお伝えいたします。
苦手①:潤沢なリソースアサイン
もともと規模が大きくない会社ということもありますし、部員も28名で、全員案件に入っています。そのため、「◯◯月から2桁人数」というオーダーには、基本的にお応えできません。
苦手②:確定して動かせないスケジュールと仕様に対する開発
MAD領域の開発では、検討しているアーキテクチャが最適なのかどうか、実際に実装して検証してみないと、判断が難しい場合が多々あります。そのなかで、ゴールの軌道修正や仕様面での調整、タスクの入れ替えをしつつ、計画に対して柔軟に変更して、実装を最適化していくプロセスが不可欠です。
そのため、確定仕様に対する実装のみを実施するという方法は、MAD領域の開発においては相性が悪いと我々は考えています。
苦手③:ドキュメント作成の比重が高い作業
顧客にご支援するなかで、開発に必要なドキュメントは必ず作成します。しかし、実工数でドキュメント作成が実装とテストを上回るような案件の場合、MADの得意領域を活かすことは難しいです。MAD領域こそ「実装して動かしてみて検証する」ことが重要なので、そういった面でよりバリューを発揮できる組織とご認識ください。
ご支援させていただいた顧客事例
ここまで読んで、「実際にどのような支援をしているの?」と感じる方も多いと思いますので、これまで公開させていただいている顧客事例を、並べさせていただきました。
いろんなパターンでの支援内容が網羅されているので、是非、MAD事業部でご支援する場合のイメージを掴んでいただければ幸いです。
三菱重工株式会社様
3ヶ月で成果を出すという非常にプレッシャーがきつい状況の中、顧客と一丸になって解決に向けて支援していく内容を紹介しています。ユーザー企業の中で、新しいサービスや機能を開発し運用していく上で必要な考え方やノウハウが詰まっていますので、是非御覧ください。
SBギフト株式会社様
経験のないアーキテクチャや技術を実戦投入しながら覚えたいというニーズに対して、当時まだあまりメジャーではなかったサーバーレスアーキテクチャで真正面から設計、検証、実装をご支援した事例となります。
凸版印刷株式会社様
社内のIT部門の内製力強化の一環で、モダンな技術を使ったサービスの開発を実践していくために、技術支援を差し上げました。専任エンジニアによる3ヶ月に渡る講義形式で、MAD領域の様々な領域に渡ってのスキル支援を実施してます。
- 全てオンラインでの自作資料を元にした講義
- 資料に沿ったデモ(実際のAPIの開発や実行、テストの実行など)
- サンプルコードの解説
- 講義内容をタスクにしてガントチャート化
- タスクの小課題に事前質問や講義内容のリクエストを受付
- 毎週2時間枠(最後10分で次の週の内容の調整)
- 納品物
- 各講義資料(Backlog、Wiki)
- サンプルコード
株式会社ユニクエスト様
2ヶ月間の短期集中支援で、サーバーレス・コンテナアプリケーションや、そのAWSインフラまで含めた広範囲な技術QAを実施させていただきました。
- 最初にリニューアルにおける課題感をヒアリング
- CM側は3名で分担
- 課題や疑問点がでてきたところに片っ端から回答
- テキストコミュニケーションでしんどいところは、随時Webミーティング
- 課題はコンテナがメインだったが、Lambda@Edgeや、CircleCIのサンプルコード、ドメイン移行の手順なども支援
- 現場のエンジニアの方と伴走するかたちで実施
JFEエンジニアリング株式会社様
受託開発に近い支援ということで、既存のアーキテクチャの問題点の分析から設計〜実装〜テストまで一気通貫で専任エンジニアが対応させていただきました。
- 担当エンジニアは一人で約半年
- 既存処理の課題をLambdaを用いたストリーム化・サーバーレス化のアーキテクチャで提案
- CI/CDの仕組みの導入で、手動デプロイを効率化
- 顧客とワンチームでのプロジェクト進行
株式会社カプコン様
追加機能の開発について、継続的にご支援を実施させていただいております。
株式会社星野リゾート様
主に、技術顧問的な立ち位置で、AWSインフラからアプリケーションの実装方法までITにおけるあらゆる疑問や課題について、お答えし支援しております。
内製化支援サービスのご紹介
MAD事業部には、阿部を責任者とした内製化支援サービスを扱っているチームも内包しています。内製化支援サービスについての詳細は、こちらをご参照ください。
クラスメソッドの内製化支援サービスは、「体制づくり」「スキル開発・定着」「ビジネス開発」の3つの領域から、各社のおかれている状況にあわせて、内製化を実現するための自走に向けた支援を行います。
引用:内製化支援サービス | クラスメソッド
とあるように、IT化の主導権を持ち、コントロールすることを目指す企業様向けの支援サービスとなっており、MADサービスによる技術領域の支援のさらに一歩手前の組織づくりからご支援するものです。
何故、MAD事業部と一緒にやっているかというと、顧客に対する支援の形が似ていて相性が良いからです。内製化支援とMADの両方をご契約頂いているお客様もおられます。
技術領域だけではなく、その前段の組織に対してもアプローチが必要であれば、是非内製化支援についてもお気軽に合わせてお問い合わせ頂ければと思います。
阿部のブログも、是非あわせて御覧ください。
興味がある方へ(事業会社様)
ここまで、読んでいただいた方で、「これは、ごっつ気になるわぁ」とお思いの方、遠慮なく下記ページよりお問い合わせください。簡単1分ぐらいです。ここの「内製化支援サービス」「MAD(モダンアプリケーション開発)」にチェックいただければ、それでOKです!
「ごっつ気になる」とまではいかなくて「ちょっと気になる」「まぁ話ぐらい聞いといたるか」とかでも、全然構いません。今の組織のお悩み相談ぐらいの感覚でご相談ください。
興味がある方へ(エンジニア)
エンジニアの方向けにもお知らせですが、MAD事業部はマジで恋する5秒前ぐらいの勢いで一緒に働いてくれるエンジニアを絶賛募集中です。
全ての案件がパブリッククラウドをベースとしたコンテナ/サーバーレス案件で、かつ関連するCI/CDやIaCやフロントエンド全ての領域で、各専門エンジニアがガッチガチに切磋琢磨している組織です。
日本を見渡しても、これだけ専門性が高く濃い組織も無いと思うので、この記事の「データで見るMAD事業部」でだした技術領域に興味があるかたは、お気軽に下記エントリーフォームから、応募頂ければと思います。
エントリーフォーム | キャリア採用 | クラスメソッド株式会社
まだMAD事業部単体での採用はしていない(準備中)のですが、希望職種に、「サーバーサイドエンジニア」or「Webフロントエンジニア」を選択し、入力フォームのどこかに「MAD」と書いてもらえれば良いです。
「いきなり応募フォームとかハードル高いわぁ…」という方は、自分のtwitterまで連絡ください。DMも開放してます。キャリア相談的な雑談でも良いので、お気軽に書き込んでもらえればOK。いきなり「志望動機は?」とか聞きませんよ!
濱田孝治(ハマコー)(@hamako9999)
モダンなITを武器とされるお客様に、MAD事業部が少しでも役立つことを願って
以上、長くなりましたが、「MAD事業部とはなにか?何を解決するのか?」という内容で徒然と書いてみました。
今後は、DevelopersIOはもちろん、AKIBA.MADで、定期的にウェビナーを開催することで、より多くの方にMAD事業部のことを知ってもらおうと考えています(参考:【AKIBA.MAD】実践から学ぶ AWS Lambdaのテスト戦略)。
また、近々クラスメソッドとしては新しい技術領域にも挑戦していくので、これからのMAD事業部も要チェックです!
それでは、今日はこのへんで。濱田(@hamako9999)でした。